動力電池メーカーのSVOLTは欧州大手自動車メーカーから大型契約を獲得へ

 長城汽車から独立した動力電池メーカーのSVOLT(蜂巣能源科技有限公司)は大きな契約を獲得することになる。

 2月4日、関係者によると、SVOLTは欧州某大手自動車メーカーの動力電池サプライヤーに指定された。同自動車メーカーはSVOLTから動力電池を調達し、傘下のグローバルEVプラットフォームに搭載する計画で、事業全ライフサイクルでの調達量は7GWhを超える見込みだ。

 指定サプライヤーとは何か。業界のプロによると、完成車メーカーは動力電池サプライヤーの選定において非常に慎重で、何回も選別を経て、最終的に勝ち抜いた企業に排他的でプロジェクトごとの選定書を送り、後者に、動力電池の量産部品及びアフターサービス部品の研究開発、量産化及び供給を任せる内容を記載している。後者に選定書を送ったということは、提携双方が近く調達契約に調印することを意味する。

 SVOLTは2018年、長城汽車動力電池事業部から独立されたもので、動力電池業界の「ダークホース」として、急速に成長してきた。2017年11月、傘下の常州金壇(江蘇省常州市)自動車グレードAI動力電池工場の第一期事業が稼働し、同年12月の第1次製品を顧客に納入した。自動車情報ポータルサイトの「汽車之家」によると、SVOLTの自社製セルはすでに長城汽車の「ORA R1」、「ORA IQ」、「WEY V7 PHEV」の3車種への搭載が確定。

 これまで、SVOLTは欧米のハイエンド市場への進出を宣言し、グローバル化戦略の布石を急いでいる。計画によると、同社は20億ユーロを出資して欧州に24GWhの大型動力電池工場、プラス極材料工場と電池技術センターを建設する計画だ。事業は2期に分けて実施され、1期事業の建設は2020年度にスタートし、2022年度に稼働し、2期事業は2025年に稼働する予定。

 今回報道された欧州の大手自動車メーカーはどのメーカーなのかが不明だ。各メディアの過去の報道によると、PSA、BMW、アウディ、ダイムラーなど海外メーカーからSVOLTの動力電池を調達する意向が示されたという。SVOLT側も顧客情報の開示を拒否している。今回、欧州メーカーの指定サプライヤーとして大型契約を獲得したことは、SVOLTが海外事業の開拓について実質的な進展を遂げ、グローバル化戦略の目標に一歩近づいたことを示している。


参考記事:https://auto.sina.com.cn/news/zz/2020-02-05/detail-iimxxste8917703.shtml

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