吉利、ハイエンド電動ピックアップブランドを発表

 地場メーカーの吉利は6月17日、ハイエンド電動ピックアップトラックの新ブランド「RADAR」を発表された。

 RADARの公式説明によると、新ブランドは今後、電動オフロード車のセグメントに焦点を絞り、ユーザーに多様なアウトドア体験を提供する。

 情報によると、RADARの商標が登録されたのは今年の4月20日であるが、吉利は7月には新車を発売すると発表した。これは、このブランドが以前から準備されており、製品も計画されていたことを示しているが、テスラのCybertrucやRivianに触発され、一念発起した計画だとの見方もある。

 吉利が多ブランド、多車種の戦略展開は、実は数年前から始まっている。若年層をターゲットとする「Link & Co」であれ、新エネルギーと知能化をコンセプトとする「Zeeker」であれ、あるいはボルボスピリットをアピールする「Polestar」であれ、さらには「幾何」や「集度」などの謎のブランドの展開は、まさに吉利が歩もうとしている方向である。このな観点から、製品ラインの幅をさらに広げ、ブランド陣営の厚みをさらに豊かにするには、RADARは有益な試みかもしれない。

 ただし、中国のピックアップトラック市場はどこまで有望なのか。実を言うと、あまり有望には見えまない。

 昨年、中国市場全体でピックアップトラックは合わせて55万台が売れたが、全体の市場規模2千台以上と比べると、その割合は無視できるほどである。一方、さまざまな要因が相まって、現在のピックアップトラック市場は依然として回復の兆しが見えていない。過ぎ去った5月のピックアップトラックの販売台数は全国で4万2千台にとどまり、前年同期比で8%減少した。

 中国の消費者に電動ピックアップトラックを本当に選んでもらうか。中国独特の都市交通規制で、ピックアップトラックは、限られた地域でしか走行できない特殊な存在である。さらに重要なのは、ピックアップトラック文化の欠如では、多くの人の購買意欲を呼び起こすことはできないということである。要するに、ほとんどの中国ユーザーにとって、ピックアップトラックが少量の荷物を載せられる以外に何に使えるか、その用途は思いつかないだろう。

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