なぜUber、DiDiがモバイルインターネット最大のバブルだと思うのか?

興味深い記事を紹介する。著者は迭代資本の提携パートナーの周氏で、億欧科創により編集されている。

Uberは2009年に設立され、2011年にAラウンド投資を獲得してから融資と評価額アップを繰り返しながら上昇気流に乗り、2019年上場前の評価額は720億ドルに達している。Uberの米国での成功はあっという間に国内の多くの模倣者を感染している。「滴滴出行」は2012年に設立され、チームのファイティングスピリットと資本の愛顧に支えられ、中国国内の多くのライバルを抑え、評価額は2018年に560億ドルのピークに達した。

この現象は当時Grouponがリードしていた国内の「まとめ買いブーム」と非常に似ており、Grouponの急速な台頭は、中国国内でまとめ買いを巡る乱闘を引き起こしたが、まとめ買いに参入したプレイヤーはまもなく転向したり、倒産したりして、今ではまとめ買いビジネスを主とするものは一社もない。Grouponは上場後も赤字が続き、株価が上場ピークの1/10以下に下がっている。

まとめ買いの結末を踏まえて判断すると、UberもDiDiもGrouponと同じことを経験するだろう。では以下では私がなぜその判断をしているのかの考え方を説明する。

Uber、DiDiの過大評価のロジック

タクシーは極めて分散化している市場だ。インターネットを通じてこの市場に参入したDiDiは、タクシーの「ナンバープレート独占」状態を打ち破ろうとしている。資本は、DiDiがインターネットのネットワーク効果を利用して独占を形成し、独占者利益を享受することができると予想している。この仮説に基づき、資本はUberに720億米ドル、DiDiに560億米ドルの評価額を与えている。しかし私は、この論理的仮定は根本的に間違っていると考えている。

UberとDiDiのジレンマ

人口密度の高い都市では、ネット配車市場だけではネットワーク効果が享受しにくい。例えば杭州では、2000台の車と2万台の車で、単位当たり注文コストはあまり変わらず、DiDiがドライバーへのインセンティブを頼りにライバルを撃滅しても、独占者利益を得ようとすると、再びライバルが戦場に現れてくる。特に高徳地図のようなユーザーを効率的につなぐプラットフォームは、1つの都市でネット配車プラットフォームを運営するハードルを大幅に下げている。

DiDiにとって最もネットワーク効果が高く、かつ参入障壁を築いているのは、ライドシェアサービスの「順風車」業務であり、時効性、ルートの多元化により、需給双方の規模が大きくなればなるほど、マッチング効率も高くなる。様々な理由でDiDiの「順風車」が一時停止となった。Uberが直面している問題はDiDiと類似しており、大規模なインセンティブで業界の王座に座っているが、自身は利益を出せているわけではない。

タクシー分野でのモバイルインターネットの位置付け

モバイルインターネットは非常に便利だが、タクシー分野でのモバイルインターネットのビジネスチャンスを評価する際には、いくつかの特徴を考慮しながら適切な評価を行う必要がある。私の判断では、モバイルインターネットは、タクシーのコールセンターに代わって、ドライバーと乗客をよりよく接続するようになった。しかし,この相互接続によってプラットフォームが形成されても、ネットワーク効果が不十分なことからプラットフォームとしてのロジックが成り立たない。したがって、モバイルインターネットのタクシー市場における合理的な位置づけは、高徳地図のような「コネクター」か、曹操専車のようなブランドで支えられているモビリティ企業(ブランドの差別化はあまり期待できないが)になるはずだ。「Winner Take All」というプラットフォーム効果は、個人的には、タクシーの分野では成り立たないと思う。

自動運転によるタクシー市場への影響

現在非常にホットな自動運転は、タクシー市場の勢力図に影響を与える1つの重要な要素として業界で認識されている。個人的には、自動運転技術は単一車両のランニングコストに影響を与えるが、この分野のネットワーク効果が不十分であるという特徴には影響を与えない。この技術が1社や2社の独占にならない限り、タクシー市場の業界構図は根本的に変わることはないだろう。

以上の検討を総合すると、モバイルインターネットはタクシー市場を大きく変え、利用者に大きな利便性をもたらしていると考えられる。しかし、資本がこの市場に対する過大な期待は、誤った仮説の上に成り立っている。その仮説が崩れるとUber、DiDiの評価額は激しい下落を迎えることになるだろう。


参考記事:https://www.iyiou.com/p/109943.html

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