百度の無人バス「Apolong」事業に異変:主要メンバー退避、販促停止

ベンチャーITメディアの36krは、百度のアポロン無人バス「Apolong」事業に近い複数の関係者から、同事業の主要技術者や開発者はすでにプロジェクトから離れて、他の事業とApolloオープンソースプロジェクトに配属されていることを明らかにした。

「当時はApolongプロジェクトが重要視されていて、総勢300人ほど投入されていたが、今はテストやコードのメンテナンス人員しか残っていない」。百度の自動運転に携わっている社員の一人は言う。残っているプロジェクトの保守要員は20-30人程度だという。

Apolongプロジェクトに参加していた別の百度の退職者は、「Apolongの小型バスはコストが200万元を超えているのに、販売価格は150万元前後に設定されている。1台売って50万元を損する商売になっているため、百度はもう販促を断念している」と話した。

「Apolong」は、百度と福建省アモイの金龍客車が2年にわたって共同で開発した自動運転小型バスだ。2018年7月4日、百度の李彦宏CEOは、AI開発者会議で、このL4クラス自動運転小型バスを発表し、100台目のApolongが金龍汽車でラインオフし、日本の原子力発電所と高嶺コミュニティからの受注を同時に獲得したと発表した。

北京市の海淀公園でApolongに試乗した複数のマスコミ関係者によると、Apolongのアルゴリズムはデリケート過ぎて歩行者からまだ遠く離れているうちに止まってしまう。その上、走行速度は遅く、公式発表では最高時速40㎞だが、実際は時速10㎞に制限されており、大人のジョギング速度には及ばないという。

「プロジェクトが完成したら、メンバーを退避するのも普通だろう」とあるApolong事業の退職者はメディアの質問に答えたが、一方「Apolongは売れば売るほど損失が拡大し、株価を引き上げるのに役立たないので、販促をやめた」と打ち明けた。

2017年に百度の自動運転プロジェクトApolloがスタートしてから、Apolloは百度の重要な支出項目となった。2019年第1四半期、同社の研究開発支出額は前年同期比26%増の42億元だったが、同期の純利益は3億2700万元の赤字となった。ちなみに前年同期の純利益は66億9400万元だった。研究開発支出はいかに収益を圧迫しているかはここからうかがえる。

最近百度は、自動運転事業の方向性を調整しており、より商業化しやすいAVP(自律駐車)プロジェクトや、より「期待が膨らみやすい」Robo-taxi(自動運転タクシー)プロジェクトに軸足を置いていることが明らかになった。


参考記事:https://36kr.com/p/5234232

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