RoboSenseの124本素子レーザーレーダーは1898ドル、Solid State式LiDAR時代の到来を予感

 車載レーザーレーダー市場にはVelodyne、IBEO、Quanergy、Innovizなどのプレイヤーが参入し、ボッシュ初の車載レーザーレーダーが量産開発段階に入っている。その多くのプレイヤーがしのぎを削る中、最近中国勢が浮上している。

 2020年に入って翌日に、国内レーザーレーダースタートアップ企業のRoboSense(速騰聚創)が、ソリッドステート(Solid State)式RS-LiDAR-M1 Simple(Simple Sensor Version)の受注を開始し、単価が1898ドルになると発表した。

 同社によると、3年以上の研究開発を経て、同製品の大きさは以前のモデルの半分に小さくなり、ハードウェア性能も大幅に向上した。現在同製品はすでにSOP前の本体設計を完了しており、性能的にはOEM量産車向けのカスタム製品とほぼ一致している。

 特筆すべきは、RoboSenseの-LiDAR-M1ファミリには2つのバージョンがあり、上記のRS-LiDAR-M1 Simpleはハードウェアのみのバージョンだ。それに加えて、RS-LiDAR-M1 Smart(Smart Sensor Version)、すなわちソリッドステート式スマートLiDARというバージョンもある。

 後者は、MEMS方式に基づくソリッドステート式スマートLiDARで、物体検知アルゴリズムとチップをLiDARのハードウェア本体に組み込んでいる。同社はそれをCES 2020で正式に展示し、主要顧客から注文を受ける予定だ。

 RoboSenseは2016年からソリッドステート式LiDARの研究開発を開始している。最初の2年間、RoboSenseがCESでRS-LiDAR-M1の2つのバージョンM1 preおよびB1プロトタイプをそれぞれ出展した。

 では今回のRoboSenseが発表したRS-LiDAR-M1の製品版は、車載グレードに耐えられる性能を持っているだろうか。

 ITメディアの雷鋒網は、今回のRS-LiDAR-M1視野角、測定距離、スキャン効果、分解能などの性能において、以前のバージョンを大きく上回っていると報じている。

 これまでの2つのバージョンでは、水平測角×垂直測角はそれぞれ63°×20°と120°×20°だったのに対して、今回のRS-LiDAR−M1は120°×25°と大きく広がっている。RoboSenseによると、これは世界で発表された同類製品の中で、視野角が最大のMEMS方式のソリッドステート式LiDARだという。

 測定距離において、RoboSenseは1550nmのレーザーを選択せず、低コスト、車載グレードかつ小体積の905nm光源を採用している。それでもRS-LiDAR-M1は150m@10%の距離測定能力を有している。

 スキャン効果では,従来の機械式モーターによる回転スキャンと比較すると、RS−LiDAR−M1は25°の垂直視野角に125本で、現在世界で発表されている128本機械式モーターによるレーザーレーダーと同等のスキャン効果を持っている。

 分解能では、RS−LiDAR−M1は独自に開発した走査方式のおかげで非常に整然とした点群効果が得られ、通常動作モードでは0.2°×0.2°の分解能を持ち、従来の機械式レーザーレーダーの点群アルゴリズムフレームワークを継承することができる。

 さらに、RS-LiDAR-M1のフレームレートは10Hzから15Hzに引き上げられ、ターゲットの移動による点群の歪みの影響を低減している。

 外形的には、RS-LiDAR−M1の大きさは従来の64本の機械式レーザーレーダーの10分の1しかない。L3/L4自動運転のプレインストール量産ではコンパクトさが間違いなく競争力になる。


参考記事:https://www.leiphone.com/news/202001/PARW1jKQkQXFxL4N.html

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