テスラ、上海でエネルギー貯蔵工場プロジェクト開始 中国第二生産工場計画は保留?

 テスラは12月22日、上海でエネルギー貯蔵工場プロジェクトを開始し、業務用エネルギー貯蔵電池「メガパック」の年産能力を1万台にすると発表しました。テスラによれば、初期計画では年間1万台の商用エネルギー貯蔵バッテリーを生産し、エネルギー貯蔵規模は約40ギガワット時に達します。業務用エネルギー貯蔵バッテリーは1台当たり3メガワット時超のエネルギーを貯蔵でき、再生可能エネルギーシステムやピーク時の需要管理など、マルチシーンの応用に適しています。

 テスラは2019年から現在まで、上海自由貿易区臨港新エリアへの投資を強化しており、ギガファクトリーの生産能力を引き上げただけでなく、スーパー充電スタンド工場や研究開発革新センターも建設しています。

 2023年1-11月、テスラ上海ギガファクトリーは前年同期比30%増の85万台超の電気自動車を販売し、アジア太平洋や欧州などの海外地域で主要な輸出拠点となっています。

 一方、最近の情報によれば、テスラは50億ドルを投資し、タイにギガファクトリーを建設することを決定し、タイにおける工場の候補地として3つの工業地帯を検討しています。これにより、中国で第二工場の計画が保留される可能性が生じています。また、テスラはメキシコにも生産拠点の建設計画を進めており、中国国内での第二工場建設計画はテスラのタイ、メキシコ進出により影響を受けるかもしれません。

 中国経済の低迷や投資環境の悪化が顕在化する中、テスラは「卵を一つのかごに盛る」リスクを認識しはじめています。

129