中国のEVの発火確率、ガソリン車の倍くらい高い

 7月22日、台湾の著名人、俳優の林志穎(ジミー・リン)氏が運転したテスラModel Xは台湾桃園市の道路上で自損事故を起こして、車両が瞬く間に炎上した。林氏は通りかった人に助けられ、病院に搬送されたが、電気自動車の火災事故の多さは、中国のネット上で大きな波紋を呼び起こしている。

 電気自動車の火災事故はガソリン車より多いかどうかについて、メディアは複数の専門家にインタビューした。

 専門家S氏は、中国国内の新エネ車の保有台数データ、2021年の新エネ車火災に関する報告書を紹介してくれた。S氏によると、2021年末現在、中国の電気自動車の保有台数は784万台に達している。電気自動車の保有拡大とともに、火災事故も急増の様相を呈している。

 S氏は「応急管理部消防救援局」の関係者の説明を引用し、2021年度、全国で電気自動車火災事故が3000件以上発生したと述べた。800万台近い電気自動車の保有台数から計算すると、火災確率はおおむね0.03%-0.04%になると説明した。

 一方、過去のデータによると、ガソリン車の火災事故の確率は0.01%-0.02%であることから、中国の電気自動車の火災事故の確率は、ガソリン車より倍くらい高いことがわかる。電気自動車の平均年式はガソリン車より圧倒的に若いにも関わらずである。また、電気自動車は、走行中、充電中、停駐車中に火災が発生する割合は、それぞれ40%、35%、25%であることを明らかになった。うち、静止状態の停駐車中、充電中の火災事故はそれぞれ25%と35%も占めるという事実に驚かされる。

 データが古くなるが、2019年に統計された火災事故のバッテリータイプを見ると、60%が三元リチウム電池、5%がリン酸鉄リチウム、35%が不明である。

 また同氏は、高温期の時期(6-9月)に火災が発生する確率は冬やその他の季節に比べてダントツに高いと説明した。

 もう1人の専門家は、ガソリンタンクは外部に閉ざされた構造で、ガソリンが外に漏れない限り発火しない。対してバッテリーは、それ自体に酸化剤と可燃物質が含まれるので、発火しやすいと紹介した。

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