BYD、欧州初の電気自動車工場建設へ ─ ハンガリー選定の理由

 BYDは10月17日、ハンガリーに初めての欧州電気自動車工場を建設する計画を進めていることが、ドイツ紙のフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングによって関係者の話として報じられました。この情報は公式ではなく、「BYDに近い人物」から提供されたものであり、BYD内部で最終的な決定が下されたとされています。詳細な情報は年末までにBYDが公表する予定です。

 BYDは欧州に工場を建設する戦略を今年2月に明らかにしました。欧州に工場を構えることで、BYDは関税や物流などのコストを削減し、欧州市場の需要に柔軟に対応できる利点があります。このため、BYDは立地選定作業を進め、フランス、スペイン、ドイツなど複数の欧州諸国が興味を示していましたが、その中でフォード・モーターが売却を検討しているドイツの工場について交渉しているとも報じられました。しかし、BYDは他社の施設を引き継ぐよりも自社の工場建設を優先しているようです。

 BYDは、工場建設の立地にハンガリーを選択した理由については、さまざまな推測がなされています。まず、BYDは、数年前からハンガリーでビジネスを展開して、一定の成果を収めました。2016年にBYDはハンガリーで電動バス製造工場を建設し、ハンガリーのバス市場で42%のシェアを占め、トップ座を獲得しました。

 次に、今年7月にBYDは、ハンガリーで電池組立工場を建設する計画を発表し、それに2億元以上を投資しています。

 さらに10月19日には、BYDがハンガリーの首都ブダペストに2店舗をオープンし、ハンガリー全域をカバーする総合サービスネットワークを構築する予定です。

 同じ10月、ハンガリーのオルバン・ビクター首相は、中国で開催された第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席した後、深センを訪れ、BYDやファーウェイなどの企業を見学しました。

 さまざま事象から推測すると、BYDは、工場建設の立地をハンガリーに選択したのは必然な成り行きであろう。

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