BYD、MeetKaiと提携、中南米向けにバーチャルショールームを開設

 BYDは7月11日、米国のAIメタバース企業MeetKaiとの協力で、「BYD World BYDメタバース」というバーチャルショールームを発表しました。このショールームはまずエクアドルで開設され、翌日にはチリでも開始されました。今後は中南米の複数の市場に順次展開する予定です。

 「BYD World BYDメタバース」ショールームは中南米の顧客に対し、オンラインでブランドや製品のインタラクティブな体験を提供します。

 このバーチャルショールームの設立により、顧客は自宅で仮想現実技術を使って車両を閲覧し、試乗することができるようになり、販売効率と顧客体験の向上が図られます。

 BYDの執行副総裁兼米州地域総裁である李柯氏は、この提携について「当社は自動車販売と消費者のコミュニケーションが仮想世界で行われる未来を信じています。技術革新はBYDブランドの中核であり、MeetKaiとの提携により、ファンや顧客がより気軽で便利な環境でBYDとコミュニケーションできることを非常に喜んでいます。」と述べました。

 BYDはメタバースを活用した市場開拓に取り組む自動車メーカーの一つです。2021年にはBMWがJournee社との協力で独自のメタバース・エコシステム「JOYTOPIA」を開発しました。中国の一汽傘下の「紅旗」もメタバースに基づくエコシステムの構築を報じられています。また、NIOや理想汽車などの新興勢力もメタバースに関連した取り組みを行っています。

 最近BYDは、海外市場への進出に力を入れていますが、米国市場への参入を避けています。米国のインフレ削減法に関連する制約が主な要因です。同法律では、重要鉱物を米国または米国と自由貿易協定を結んでいる国から調達するよう、段階的に義務付けています。これは、中国の自動車メーカーの米国市場参入を制約しています。

 最近のBYDの海外市場開拓の動きからは、同社が米国以外の中南米、欧州、南アジア、東南アジア市場に注力していることが伺えます。例えば、最近ではブラジルやカリブ地域での活動が頻繁に報じられています。

365