三菱自動車、主力車種の生産を中止 中国市場から撤退する合図か

 海外メディアによると、三菱自動車は中国市場で新エネルギー車の需要が急上昇していることを受け、ガソリン車であるアウトランダーの中国生産を中止することを決定しました。

 7月13日、三菱自動車とGAIC(広汽集団)の間で設立された合弁メーカーの広汽三菱から出された「全社員宛ての手紙」がネット上で広まりました。その中では、広汽三菱の製品は市場の変化により販売が予想を下回り、経営が困難になっていると記されています。業界の大きな変化に直面し、広汽三菱の経営陣と株主は慎重な議論の末、同社は6月に正式に一時的な生産停止に入りました。これに伴い、広汽三菱は状況に合わせて人員構成を最適化する必要があります。

 GAICは、三菱自動車が中国市場から撤退する噂について、報道された内容が事実であることを認めました。現在、広汽三菱の株主3社は企業の救済や転換に全力を尽くしています。広汽三菱は現実の状況に基づき、法律に従って人員構成の最適化を行い、従業員の合法的な権益を保護するために最大限の努力をするとコメントしています。

 一部のメディアは、広汽三菱のディーラーに問い合わせたところ、三菱自動車が中国市場から撤退し、Jeepブランドが以前行ったように輸入ブランドになる可能性があるとの回答を得たと報じています。

 三菱自動車が中国市場から撤退するのは合理的な選択と考えられます。現在、広汽三菱は年間10万台に達せず、規模の経済効果が得られず、赤字を避けることができません。今年4月に開催された上海モーターショーには三菱自動車のブースがなかったことも、中国市場からの撤退の兆候かもしれません。

 また、ガソリン車を主力製品とする広汽三菱は、中国のダブルクレジット政策に適合せず、新エネルギー車のクレジットを購入しなければならない経営的な困難も抱えています。

 ルノー・日産・三菱連合はこれまで、それぞれが異なる地域を重点とする戦略を取ってきました。ルノーは欧州市場に得意とする領域があり、中国市場は日産に任せる形になっています。一方、三菱自動車は東南アジア市場を主力としています。この観点から見ると、三菱自動車が中国市場から撤退する日は遠くない可能性があります。

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