ホンダとトヨタ、中国で人員削減を発表

 最近、日系合弁自動車メーカーからは悪いニュースがたびたび伝えられています。7月に三菱自動車が中国市場から撤退するニュースが流れたことに続いて、12月2日、ホンダは、中国の合弁企業、広汽ホンダの契約社員約900人を解雇すると発表しました。

 ホンダの広報担当者によると、この合弁企業には約13,000人の従業員がおり、今回影響を受けた人員は同合弁企業の従業員全体の7%に相当する規模だという。また、企業情報検索サイト「天眼査」が発表した「広州ホンダ汽車有限公司2022年度報告書」によると、2022年、広州ホンダは延べ12,519人が都市部従業員基本養老保険を納付したとのことです。

 広州ホンダによると、今回対象となるのは労務派遣者のみで、非正規社員だとしています。労務派遣雇用制は広州ホンダが生産需要に応じて柔軟に調整できる雇用制度です。当該労務派遣人員に対し、広州ホンダは法に基づき、適時に経済補償を提供するとともに、関係者の再就職に積極的に協力します。

 広州ホンダの関係者は「人員削減」は外部の誤った解釈だとしていますが、広州ホンダの年内の販売状況は確かに圧力に直面しています。GAIC(広汽)が先に発表した2023年10月の生産販売速報によると、今年1―10月の広汽ホンダの累計販売台数は499,359台で、前年同期の販売実績636,541台に比べて21.55%も落ち込みました。

 偶然にも、トヨタ自動車は今年7月、中国市場での販売の現状を踏まえ、合弁企業の広汽トヨタで1,000人の人員削減を行うと発表しました。

 同様に、今年7月の広汽トヨタの人員削減騒動では、「人員削減は『労務派遣者』に限定され、正規労働者は対象外」と、最近の広汽ホンダと同様の対応をしています。

 広汽トヨタの内部でも、多くの労働者が派遣会社と契約を結び、「派遣」として広汽トヨタに来ているケースがあるという。広汽トヨタでの勤続年数が10年を超え、年齢が40歳を超える労働者は少なくありません。

 乗連会(全国乗用車情報連席会)が発表したデータによると、今年10月、国内乗用車市場の小売台数は前年同月比10.2%増の203.3万台に達しました。うち地場ブランドの小売台数は113万台で、前年同期比20%増加しました。同月の国内における地場ブランドの小売シェアは前年比4ポイント増の55.6%だったとのことです。

 これに対応する形で、主要合弁ブランドの10月の小売台数は前年同月比2%減の68万台となりました。うち日系ブランドの小売シェアは17.7%で、同1.2ポイント低下しました。2020年の市場シェア24.1%からさらに6.4ポイント低下しました。言い換えれば、日系ブランドが中国市場でシェアを食い荒らされ続けているのは事実です。

 また、トヨタと一汽の合弁企業である一汽トヨタを例に挙げると、販売台数の面でも圧力に直面しています。一汽トヨタは先に発表した「一汽トヨタディーラーパートナーへの手紙」の中で、10、11月に生産を大幅に下方修正したことを前提に、12月から来年2月までの生産を引き続き大幅に下方調整したと言及しています。これによりディーラーの在庫圧力と資金圧力を改善することを狙っているとのことです。

 そして今回、広州ホンダが「人員削減」の噂で注目の的となった際、複数の海外メディアは、トヨタ自動車が中国天津工場の生産を一部停止したと報じました。

 トヨタの広報担当者は電子メールで、一汽との合弁による天津生産拠点の生産停止は計画中の措置で、車種構成の変更に合わせて生産を調整していると明らかにしました。トヨタによると「生産ラインを停止した理由は、車種の老朽化やボディタイプなど構成の変化を考慮して生産システムを最適化したため」とのことです。

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