ファーウェイに「ハメられた」SERES、30億元以上の巨額損失

国有メーカー小康汽車傘下のSERESは先ごろ、2022年の業績予想を発表し、通年の損失は35億元から39.5億元、前年比91.9%減から116.57%減になるとの見通しを示した。

SERESは、巨大ICTメーカーのファーウェイと提携して、新エネ車市場に高性能EVを送り出して注目を集めているが、ファーウェイと提携した後、3年間で60億元の損失を出し、収益力は提携前の時代よりむしろ悪化した。

背景は、ファーウェイと共同で開発した高性能EVの販売台数が計画を下回り、かかったコストが膨らんだためである。ファーウェイと共同で発表した新しいブランド「AITO(問界)」を例に挙げると、2021年に投入した「AITO M5」に加えて、2022年に「AITO M5 EV」と「AITO M7」の2車種を追加し、30万台を目指したが、実績は7.5万台と、目標の25%にとどまっている。これは「AITO」が悪い製品だというわけではなく、現在の中国市場では、新規参入の自動車新勢力にとってこれぐらいの売行きは限界だったためであろう。

例えば、NIOや理想汽車も同じ新勢力である。この2社は台数を伸び悩んでおり、SERESと同じように巨額の損失を出し続けているが、2社は少なくとも「ハイエンドEV」という自社ブランドイメージを確立しつつある。しかしSERESはそうではない。「AITO」というブランドは、一般消費者にとってファーウェイと結びつきやすいし、今さら「SERESはどんなメーカーなのか」さえ知らない人も多い。

SERESは、何のためにフォーウェイと提携して自動車を生産しているのか。

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