中国の自動車産業、新エネルギー車拡大で利益率低下

 10月27日、乗聯会(全国乗用車情報連席会)幹事長の崔東樹氏は、中国の自動車産業の利益率が低下していると指摘しました。

 崔氏によると、2023年1-9月の自動車業界の売上は前年同期比10%増の71150億元でしたが、コストは11%増の61955億元となり、利益は前年比0.1%増の3460億元にとどまっています。この結果、利益率は4.9%と工業企業全体の利益率の5.6%を下回っています。

 利益率低下の原因について、崔氏は、「今年上期に川上の炭酸リチウムのコストが高すぎたため、新エネルギーの生産コストが高くなり、損失が大きかった」と指摘しました。

 一方、最近の炭酸リチウム価格は15万に低下しており、電池の価格低下は業界にとってプラスとなり、第4四半期の自動車メーカーのコスト改善に寄与する見通しを示しました。

 崔氏は、さらに中国の自動車産業が直面する大きな問題として、ガソリン車の利益が急速に縮小しており、一方で新エネルギー車は順調に台数を伸ばしているものの、損出も拡大しており、自動車産業全体の収益構造が悪化していることだと指摘しました。

 データによると、9月において、乗用車の生産は前年比3.5%増の249.6万台、販売は同6.6%増の248.7万台となりました。そのうち、新エネルギー車の生産と販売は前年同期比16.1%増の87.9万台と27.7%増の90.4万台で最高を記録し、市場シェアは31.6%に達しました。一方、ガソリン車の国内販売は伸び悩み、134.2万台と前年同期比11.2%減少しました。

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