キア幹部、BYDを痛烈に批判

キア中国の最高執行責任者(COO)である楊洪海氏は2月16日、個人のソーシャルメディアを通じて、6つの質問を投げかけ、その矛先をBYDと会長兼総裁の王伝福氏に向けた。

楊洪海氏は、「王伝福さん、あなたのチームをしっかり教育してください。いくら『ネット水軍』(注1)でもカッコ悪いぞ。私たちの製品を『棒子車』(注2)と呼ぶ前に、まずあなたの製品を反省してください。BYDブランド名はただの汚い言葉(注3)ではないか。あなたの製品がいつ街で自然発火しなくなるか。いつ実際の走行距離を表示できるか。いつあなたごまかさずにいられるのか。中国税関の乗用車輸出データの1位はいつあなたになるのか」と、痛烈に批判した。

それだけでなく、楊洪海氏の怒りはネットユーザーのコメント欄にも広がり、中には「(BYDは)なぜ『ネット水軍』のような下品なマーケティング手段を使っているのか」、「(キアは)世界3位で、販売台数はBYDよりずっと多く、世界で車を売って460億元の利益を上げる実力はBYDにはあるか」、「政府の補助金で食っている。顧客をごまかして金を稼ぐな」との厳しい意見を吐き出した。

楊洪海氏がBYDに痛烈に批判した理由は、潜在的なライバル関係にあるキアNew K3とBYD秦PLUS DM-iチャンピオン版の販売を巡って、ネット上で繰り広げられた韓国車を貶す言論をBYDの仕業と断定したためだとの見方もある。

New K3発売の少し前、BYDは秦PLUS DM-iの2023型チャンピオン版が発表された。新車の販売価格は9.98万元で、Aクラスのプラグインハイブリッドセダンの販売価格を初めて10万元以内に引き下げた。公式データによると、秦PLUS DM-iのチャンピオン版2023型が発売から7日間で3.2万台の注文を獲得した。

注1:「棒子(バンズ)」は中国人が使う韓国・朝鮮人の蔑称。

注2:中国ではBBSやサイトで「あおりやサクラレビュー」などの書き込みは別名「注水(水増し)」とも言われているため、同一人物で複数の登録名を使って、潜り込んで「注水」をする人は「ネット水軍」と称されている。世間では、BYDは大量の「ネット水軍」を雇って自社製品に対するサクラレビューを投稿したり、競合他社の製品を貶したりしているとの噂があるが、真偽不明。

注3:BYDは、中国語名「比亜廸」の中国語発音biyadiの頭文字である。「比亜廸」の三文字は中国語では意味を持たないが、東北方言で人を罵る汚い言葉と発音が似ている。

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