Deeproute.aiは、低コスト低消費電力の自動運転プラットフォーム・ソリューションを発表

1月6日CES 2020で、自動運転スタートアップ企業のDeeproute.ai(元戎啓行、以下はDeaproute)は、自動運転プラットフォーム・ソリューションDeepRoute Titeを発表し、L4クラスの自動運転アルゴリズムをNVIIAの自動運転プラットフォーム「Xavier」(シャビエル)に移植することで、自動運転ラットフォームのコストと体積を大幅にカットして、全体の消費電力を45ワットまで削減したという。

Xavierを使うことで、Deaprouteが開発した自動運転プラットフォーム・ソリューションは、センジング、予測、意思決定、計画と制御、ナビゲーション測位などL4クラスの自動運転モジュールの処理を可能にした。従来は巨大な自動運転プラットフォーム上で行われる計算が、小さなボックスの中で実現することが可能となり、自動運転車両のリアトランクのスペースを空けることができる。

従来の自動運転プラットフォームは自動運転アルゴリズムの計算上の要件を満たしている一方、体積が大きく、消費電力も高い。多くはPC(パーソナルコンピューター)グレードで、自動車の過酷な使用環境に耐えられない。車載グレードで、たとえNVIDIA AGX Pegasusでも、最大300 ワットの電力消費量に加えて、冷却システムを付ける必要がある。

対して、同じNVIDIAの自動運転プラットフォームでも、Xavierがコストも体積も優位性があり、量産性にも適合している。しかし、残念なことに、Xavierの処理速度は32兆回/秒で、NVIDIA AGX Pegasusの10分の1に過ぎない。

このジレンマを解決するために、Deaprouteは独自に開発した推論エンジンで自動運転アルゴリズムをXavierに移植している。Deaproute推論エンジンとハードウェア・アクセラレーション部門の責任者である庄奇氏は、「我々が独自に開発した推論エンジンは、ディープラーニング・アルゴリズムのカスタム演算子やネットワーク構造に合わせて、計算リソースを最適化することができる。これにより、自動運転アルゴリズムを効率的かつ安定的に作動させることができ、コストを削減しながら自動運転の安全性が保たれている」と説明した。

即ち、Deaprouteの推論エンジンは、Pegasusのような高性能プラットフォームを必要とせず、Xavier 1台でL4クラスの自動運転に必要な計算要件を満たし、自動運転プラットフォーム・ソリューション全体のコストを従来のソリューションの半分程度に削減すると同時に、消費電力を従来のソリューションの約9分の1にまで削減することができる。

また、自動運転プラットフォームのコンパクト化と消費電力の大幅な削減に伴い、数を増やすことで冗長性が保たれ、1つのプラットフォームで障害が発生した場合には別のプラットフォームに切り替え、自動運転の安定と安全を確保することも可能になった。これは、高い処理能力を必要とするソリューションに比べて、コストと消費電力の面で大きなメリットがある。

同社のハードウェア技術責任者である劉念丘氏は、DeaprouteのL4クラスの自動運転ソリューションは、大規模なフロントローデング量産市場に向けたものとして、なるべくコストが相対的に安い車載グレードのハードウェア製品を選ぶと述べた。

自動運転アルゴリズムに対応しつつ、ハードウェア製品のコストをさらに削減するため、Deaprouteはこれまでに一体型センシングソ・リューションのDeepRoute−Senseを開発した。この一体型センシング・ソリューションは、東風汽車集団技術センターと共同で開発したRobo-Taxiに搭載して、中国中部都市でテスト運営をはじめている。


参考記事:https://www.deeproute.ai/news/detail.php?id=4&bid=41&cid=213

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