内紛で解散したRoadStar.aiは、今どうなっているか

 内輪もめで解散した自動運転ベンチャー企業の「RoadStar.ai」(星行科技)は、今どうなっているか。最近一部報道があったように、ベンチャー投資の投資家が損切り、三人の創業者が1億の債務を負い、お互いに相手を控訴しながら各自の新しい居場所を見つけた。

 投資の順番によっては、最近のラウンド投資家は、大部分の投資を取り戻すことができ、元も子もない結果を回避できた。

 初期の投資家は、資金を取り戻すことはできなかったが、既存の株式は新会社に移管される形で、一部挽回できた。

 最も惨めなのは、RoadStarの3人の共同創業者であるトウ(にんべんに冬)顕喬氏と衡量氏と周光氏だ。3人はもはや「仲間」でもなんでもないにもかかわらず、1億余の連帯債務を共同で背負わなければならない。RoadStarは有限責任会社として無限責任を負う必要はない。しかし、投融資の過程で、パートナーらと連帯責任協定を締結した。会社が倒れても、投資総額と帳簿残高の間の損失の補填に責任を負わなければならない。

 では、3人の共同創業者はいまどこにいるだろうか。

 今年9月、深セン市にDeeproute.ai(「元戎啓行」以下はDeeproute)という、いままでにほとんど知られていない自動運転ベンチャー企業は、L4級自動運転ソリューションを手掛け、5000万米ドルのPre-Aラウンド融資を完了したと発表した。

 投資側の顔ぶれを見れば、一部のVC機構を除けば、RoadStarの早期投資家とかなり被っている。これもまた、周光氏とRoadStarの早期投資機関が、RoadStarの中核技術チームを連れ出して、新会社を設立し、そこから生まれ変わったというもう一つの噂をほぼ裏付けている。

 ただし、周光氏は(新会社に面倒をかけたくないためか)、Deeprouteの顧問になっているだけで、正式に重要なポストに就任していない。いずれにせよ、RoadStarの内紛後、当初の投資家や技術チームが誰の味方をしていたのかが垣間見える。

 現在、Deeprouteは、先日開かれた「軍人の世界のオリンピック」と称される「軍運会」で、国有大手の東風汽車の車両を改造する形で、固定ルートでのRoboTaxiサービスを提供するなど、順調な滑りだしを見せている。

 最新のニュースによると、Deeprouteはセンサー設計の商業化販売も開始している。

 現在、Deeprouteの評価額はRoadStarが絶好調の時点である8億ドルに及ばないものの、3~5億ドルのレベルの届き、今後まだチャンスがある。周光氏が背負っている債務は、新会社の今後の発展で賄われるかもしれない。

 トウ顕喬氏も新たな創業を始めており、都市内物流に焦点を当てた自動運転会社を黙々と設立し、今年下半期にエンジェルラウンドの資金調達段階に入っているが、これ以上の進展は報じられていない。

 もう一人の創業者だった衡量氏は、深センにある新製品開発で知られている会社に入った。この会社は、ZOOXで鍛えた若い博士が舵を取っており、ひと月前に自動運転関連の部署を立ち上げ、コンピューター視覚や感知の技術を生かして、自動車分野に新たなビジネスを切り開こうとしている。

 要するに、RoadStar.aiを作った3人の若者は、仲間割れしながらも、今後も同じ土俵で再び遭遇戦を展開するかもしれない。


参考記事:https://www.tmtpost.com/4203424.html

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