タイへの投資計画を取り下げた吉利、インドネシアで新たなチャンスを模索

中国の自動車メーカー、吉利(Geely)は、タイへの電気自動車工場建設計画を取り下げた後も、アジア市場での存在感を高めるために新たな機会を模索しています。9月14日に、吉利は、インドネシア政府の要請に応じて、電気自動車(EV)の生産を検討しているとの報告がロイター通信によって伝えられました。

インドネシアのLuhut Pandjaitan天然資源・投資規制担当相は、2025年か2026年までにインドネシアでEVを生産することを希望しており、吉利はこの要請に応じる意向を示しました。インドネシア政府は、電気自動車メーカーに国内投資を促し、豊富なニッケル埋蔵量を提供する計画です。

インドネシア市場では、既に現地で韓国現代自、中国五菱、東風小康が進出しています。吉利がこの市場に参入すると、競争は一層激化することでしょう。一方で、中国の合衆新能源汽車(Hozon New Energy Automobile)や日本の三菱自動車もインドネシアでのEV生産への投資を約束し、テスラもバッテリー材料の生産に投資を計画しています。

テスラは以前、インドネシア市場への進出を示唆していましたが、現在はマレーシアへの計画変更を検討中との情報もあります。テスラはバッテリー材料の生産に投資する計画で、自動車工場の建設は行わない方針とされています。

吉利はロイターの報道に対して公式な回答を行っていませんが、インドネシア市場への参入により、アジアでの影響力を拡大し続ける計画を進める模様です。

296