独フォルクスワーゲン、中国製VW ID.6 CROZZの輸入ディーラーを提訴 販売差し止めを要求

 最近、あるドイツのディーラーが中国からVW ID.6 CROZZモデル22台を輸入し、独フォルクスワーゲンがこれに対して訴訟を起こすというニュースが注目されています。独フォルクスワーゲン(VW)は、規定によりID.6 CROZZは中国でしか生産・販売できないが、中国は欧州との並行輸入ルートではないと指摘しました。しかし、22台のID.6 CROZZはすべての関税を納付しており、すべての手続きが現地の法令に準拠しているため、理論的にはドイツで合法的に走行することができるはずです。

 それでも独フォルクスワーゲンは、輸入されたID.6 CROZZを中国以外で販売すべきではないと主張し、これらの新車の販売差し止めと廃棄を求めて裁判所に提訴しました。独フォルクスワーゲンがこれら国産のID.6 CROZZの現地販売を拒否したのは、これらのモデルがドイツ本国の同クラスモデルに比べて低価格で、室内空間が広く、現地のID.4モデルよりも安いためだと分析されています。

 この事件は近年の新エネルギー車市場の発展を反映しており、中国の新エネルギー車市場は世界的な価格の「洼地」(低価格ゾーン)となっていますが、これまでVW ID.3のドイツでの販売価格は中国市場の販売価格を大きく上回っており、ドイツの消費者の不満を引き起こしています。だが、独フォルクスワーゲンは自国市場の安定を守るため、こうした低価格車両の現地市場での流通を認めませんでした。

 これらの新車は現在も地元の裁判所に差し押さえられており、最終的な処分については判決が待たれています。

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