トヨタ自動車、中国で水素燃料電池研究開発、生産プロジェクトスタート

 トヨタ中国のWeibo公式アカウントの発表によると、トヨタの燃料電池研究開発、生産プロジェクト(1期)の定礎式が10月24日に、北京市経済技術開発区で行われた。このプロジェクトは、トヨタが水素燃料電池分野で中国に水素燃料電池技術を導入、普及するための重要な戦略的なイベントである。今後も、トヨタは中国のパートナーと手を携えて中国のカーボンニュートラル実現のために力を尽くしていく。

 同プロジェクトのメインプレイヤーは、連合燃料電池システム研究開発(北京)有限公司(以下、「FCRD」)と華豊燃料電池有限公司」(以下、「FCTS」)の2社であり、燃料電池システムの生産ライン、検査ライン、研究開発センターを建設し、燃料電池システム製品を生産するとともに、燃料電池システム関連の研究開発を行う計画である。

 FCRDとFCTSはいずれも、トヨタ自動車と中国の水素燃料電池システム開発企業の北京億華通科技有限公司(以下は「SinoHytec」)の間で設立された合弁会社である。

 中国市場のニーズに基づき、両社はTL Power 100とTL Power 80の2つの製品を市場に発売し、いずれも高出力密度と3万時間以上に及ぶ超長期耐久性能を実現している。また、さまざまな商用車市場のニーズに合ったシリーズ製品の開発も進める予定である。

 中国の水素燃料電池商用車分野では順調に進んでいるものの、この市場規模は小さい。世界の新エネルギー車のうち商用車は4%に満たない。トヨタが水素燃料電池車の普及を実現するためには、乗用車市場を開拓しなければならない。近年、トヨタは、水素燃料電池乗用車に関心を持っている中国の仲間を集めている。前出のFCRDも、中国大手自動車メーカーの一汽、東風、広汽、北汽からも出資している。これらのメーカーは、今後水素燃料電池乗用車を開発する際、トヨタの力を借りるであろう。こういう意味で今回のプロジェクトは、トヨタが中国の水素燃料乗用車市場で踏み出した第一歩といえよう。

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