VW、合肥基地に25億ユーロ追加投資、中国の研究開発能力強化へ

4月11日、フォルクスワーゲングループ(以下VW)は、合肥基地に25億ユーロをさらに投資し、中国現地の研究開発能力を拡大すると発表しました。

合肥基地はVWの中国スマートEV分野における重要な拠点となっています。現在の合肥基地は、主にVW(中国)科技有限公司(R&Dセンター、以下VCTC)、VW安徽(生産拠点)、VWデジタル販売会社、VW安徽部品会社、およびソフトウェア開発会社のCariad中国の5つの部門から成り立っています。特に、VWが2023年4月に10億ユーロを投資して設立したVCTCは、VWのドイツ本社以外で最大の研究開発センターです。この研究開発センターは、中国市場向けのカスタムモデルの開発を主な任務とし、新製品の開発期間を30%短縮し、コストを30%削減することを第1の目標としており、中国の自動車メーカーと同等の速さで競争する能力を目指しています。

今回の投資により、VWと小鵬汽車(Xpeng)が共同開発するVWブランドのスマート電動車2車種の推進が加速されます。最初のモデルは中型SUVで、2026年に生産を開始する計画です。また、VWグループは2030年までに中国市場で30車種以上のEVモデルを発売する計画です。

近年、VWが直面する競争圧力が高まっています。2023年、BYDが初めてVWを抜き、中国で最も売れている自動車ブランドになりました。こうした市場競争の激化を背景に、VWは中国市場でのリードを維持するため、投資の拡大や製品開発の加速、新エネルギー車の導入などの戦略を取っています。また、VWは中国の新興自動車メーカーと提携して新モデルを開発することで、より多くの現地化イノベーションと市場適応性を求めています。こうした柔軟な戦略調整は、中国市場の動向に対するVWの感度と対応力を反映しています。

総合的に見ると、VWの中国市場への投資と戦略の見直しは、中国の電気自動車市場の潜在力に対する自信と、厳しい競争環境の中でトップの地位を維持する決意を示しています。これらの措置は中国自動車業界の電動化とスマート化への転換を促進し、VWの中国市場における将来の発展のためにもしっかりとした基盤を築くことになるでしょう。

82