テスラから高額注文を獲得した均勝電子は、自動車部品のジャイアントになるか

3月24日、テスラがModel Yの国産化を決定した後、同社はこのほど、均勝電子(Joyson Electronic)という中国企業に総額約2億2000万元の電子制御類製品を新たに受注し、主に均勝電子寧波工場からテスラ上海工場に直接供給することを明らかにした。

均勝電子は一体なにものなのか?なぜテスラから高額な注文が獲得できたのか。

均勝電子は2004年に設立され、本社は中国寧波にあり、近年急成長してきた自動車電子サプライヤーだ。

組織構造上、均勝電子は主に自動車安全事業部、自動車電子事業部、自動車機能部品事業部、コネクテッド事業部の4大事業部を有している。

業務では、スマート運転システム、自動車安全システム、新エネルギー動力管理システム、コネクテッドコア技術、ハイエンド自動車機能部品の5つの分野で製品ラインを構築している。その製品シリーズは、運転手知能化制御システム、電気自動車電池管理システム、工業オートメーション生産ライン、空調制御システム、センサーシステム、電子制御ユニット、自動車エンジンのターボ吸排気システム、ミラーアセンブリなどを含む。

均勝電子の沿革を調べると、同社はM&Aを繰り返して発展してきた企業であることがわかる。

均勝電子は2009年に買収戦略を実施し始めた。同年、均勝電子は中国とドイツの合弁部品会社である上海華徳プラスチック製品工場を買収し、一躍当時の業界内主要な自動車部品会社の1つとなった。

2011年、均勝電子は海外事業展開を開始した。同年、均勝電子は自動車部品メーカーの独Prehを買収した。 2013年8月、均勝電子は、傘下に収められたPrehを通して、ドイツのソフトウェア開発会社Innoventisを買収した。

2014年8月、均勝電子はPrehを通してドイツのロボット会社IMAを買収した。同年12月、均勝電子は高級ハンドルと内装部品サプライヤーのドイツQuinを買収した。

2016年2月、均勝電子は、ドイツのカーナビ技術会社TSを買収し、同社は同年5月、同社の完全子会社であるPIAが米産業用ロボット製造会社EVANAを買収し、2014年のIMAのM&Aとの相乗効果を実現した。同年6月、均勝電子は、米国のメインパッシブ安全技術サプライヤーであるKSSを傘下に収めた。

2017年6月、均勝電子の子会社になったKSSは、エアバッグメーカーであるタカダの硝酸アンモニウムガス発生器を除く主要資産を買収し、11月に買収契約を正式に締結したと発表した。また11月、PrehはノルウェーのKongsberg Automotiveグループ傘下の電力電子システム会社ePowerを買収した。これは電池管理システムを布石するためだ。

これまでに均勝電子のグローバル布石は、すでに30カ国、40のR&Dセンター、80の生産拠点にまたがっている。しかし、これだけ多くのリソースを一つのITシステムに統合することは容易ではない。そこで均勝電子は2018年からマイクロソフトと提携を始めている。

均勝電子と提携する中で、マイクロソフトの最も重要な役割の1つは、マイクロソフトの技術手段を通じて、均勝電子傘下各社のITシステムとビジネス契約を同一のフレームワークの下に統合して、それによってコスト節約、システムの統一、パフォーマンスの向上を実現することだ。

このほか、均勝電子は、マイクロソフトのAzureコンピューティングプラットフォームを活用し、同社の主要管理情報システムSAPを初めてクラウドデータセンターにホストしている。これにより、プロセスサイクルが大幅に短縮され、納品リードタイムが短くなるだけでなく、データのセキュリティも大幅に強化された。


参考記事:https://auto.sina.com.cn/news/zz/2020-03-26/detail-iimxyqwa3307128.shtml

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