疫病との防衛戦で試練を迎えるオンライン配車業界

春節は帰省Uターンラッシュを伴う大移動の時期であるため、多くのオンライン配車プラットフォームにとって勝ち負けを争う時期だ。DiDiのライドシェアサービスの復活に伴い、2020年春節期間中のオンライン配車市場の争奪戦がさらに激しくなるとの見方が広がっていたが、今回の新型コロナウイルスによる肺炎感染の蔓延で春節の帰省Uターンラッシュを巡る争奪戦は下火になった。

疫病の発生が始まった当初から、DiDi、DiDa首汽Hello(哈羅)ライドシェアなどのオンライン配車プラットフォームは緊急対策を導入し、主に予約注文の取り消しに伴う免責処理、返金申請、信用評価の補正、安全宣伝などについて特別措置を講じている。例えば、Helloライドシェアは1月18日からプラットフォームの運営都市とサービス内容を調整し、影響を受けた乗客は、注文を免責でキャンセルすることができる。保証金払い戻しまたは信用評価解除は、申し立てを行う必要はなく、プラットフォームは2月10日までに一括して処理している。

現在、規定に適合した全国のオンライン配車ドライバーの大半は、リースや「リースでの購入」(注)といった形でオンライン配車の車両を入手している。オンライン配車で生計を立てているドライバーの多くにとって、春節期間中はお金が稼げず、このままでは車の代金が返済できない懸念が広まっている。中国商報の記者によると、DiDiはすでにリース会社に提案を行っており、疫病の発生期間中にドライバーが車両のリース料の返済が延期できるよう支援したいと考えている。

DiDi側によると、実際、多くのリース会社自身も、人件費、家賃、車両保険などの高額な運営コストを負担しなければならないほど、大きな経営圧力にさらされているほか、金融機関からの返済圧力を自らも負担しなければならないリース会社も多く、キャッシュフロー不足、経済的損失、経営難などの問題に直面している。

実際,この疫病の発生はオンライン配車プラットフォームにも少なからぬ衝撃を与えている。「注文量が落ちるのは間違いない」とあるオンライン配車業者が明らかにした。今後オンライン配車の受注が低位にとどまり、ドライバーが大量に流出すれば、オンライン配車プラットフォームも苦境に立たされることになる。

武漢市(湖北省)のバスや地下鉄など多くの公共交通システムの運休が相次いでいることを受け、昼夜を問わず第一線で頑張っている医療関係者に安全で高効率な交通手段を提供するため、多くのオンライン配車プラットフォームが立ち上がっている。1月24日、東風汽車傘下のオンライン配車プラットフォーム「東風出行」は、自社登録ドライバー300人が参加した緊急車両チームを結成し、医療スタッフを一線まで無料で送迎するサービスを開始している。1月28日、300人余りのドライバーで構成された吉利汽車傘下のモビリティサービス「曹操出行」の特別チームは、疫病対策関連組織に无料サービスを提供している。2月1日、Autonavi(高徳地図)傘下の「高徳打車」は武漢現地のモビリティ提携パートナーの「風韻出行」と共同で、高徳地図で緊急オンラインの「医療介護専用車」サービスを開始している・・・。

DiDiのデータによると、現時点で、武漢DiDi医療保障車列チームは、現地の13病院、21院区、7000人以上の医療スタッフにオンラインで接続している。大手国有自動車メーカー3社や家電量販企業およびテク企業のテンセント、アリババなどが共同で設立した「T3出行」は、自ら作成した「武漢スペシャルアクション車列の防御基準」を徐々に全国のすべての運営都市に普及させ、「T3出行健康車」として、公衆に健康なモビリティを提供すると発表した。

注:「リースでの購入」とはファイナンスリースのことで、過去記事「新規ネット配車車両の「EV限定」で、ドライバーから悲鳴続出」をご参照ください。


参考記事:http://www.sohu.com/a/371265152_393779

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