ファーウェイはミリ波レーダーとレーザーレーダー業界への進出を明らかに

 これまでにテスラのマクスCEOの「レーザーレーダー不要論」には何の見解も示していないファーウェイは、22日に世界コネクテッドカー大会サミットフォーラムで、同社がレーザーレーダー、ミリ波レーダーなどのスマート自動車のコアセンサーを開発することを明らかにした。フォーウェイ輪値董事長の徐直軍氏は、レーザーレーダー、ミリ波レーダーは、同社がMDC(モバイルデータセンターをベースとした)スマート運転プラットフォームのために構築する4つのエコシステム(注1)の一部であることを説明した。

 つまり、Tier1になることを強調してきたファーウェイは、レーザーレーダーについても他社に依存しないつもりはない。

 徐直軍氏は、5G技術を利用してミリ波レーダーを開発し、24時間365日のイメージングを実現すると同時に、世界をリードする光電子技術を活用し、レーザーレーダーを開発し、レーザーレーダーが直面するコストと性能の問題を真の意味で解決すると述べた。

 注目すべきは、ファーウェイがその5G技術を利用してミリ波レーダーやレーザーレーダーを開発すると言っているが、製品開発のタイムテーブルを明らかにしていないことだ。果たしてファーウェイのこの動きは何を意味しているのだろうか。

 ある業界関係者はメディアに対し、ファーウェイが「5G+Harmony」を使ってセンサー市場を刷新する可能性があると伝えた。また、車載センサーの「エコシステム」を構築し、目的の1つは自社用で、もう1つは既存技術を完成車メーカーに提供することにより商業化する。

 まず、ファーウェイ自身もセンサーの大口需要だ。ファーウェイはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を開発してきました。腕時計、車載機器、音響、VRゴーグルなどが含まれ、これらIoTデバイスにはレーザーレーダー、カメラ、光デバイス、MEMSマイクなど多くのセンサーが必要で、ファーウェイが公開しているコアサプライヤーのリストからは、STMicroelectronics、Amphenol、村田、ON Semiconductor、GoerTecなどを含む多くのセンサーメーカーを見つけることができる。

 第二に、車内ネットワークはもともとファーウェイの強みであり、徐直軍氏もかつて言っていたように、ファーウェイは、チップからAiカメラまで「エンドツーエンド」の技術を持っており、レーザーレーダー、5Gミリ波についても長年研究してきた。

 「現時点で、自動運転のソフトウェアについて、ファーウェイは研究開発が必要とされている。他の電気自動車や自動運転に必要なすべての技術については、ファーウェイには既成の技術があり、専門家や人的資源が備蓄されている。われわれは既存の技術を将来の電気自動車や自動運転シーンに応用して顧客の要望に応えるだけでよい」。

 実は、ファーウェイはコネクテッドカー向けの「増量部品サプライヤー」(注2)として力を入れてきており、ミリ波レーダーやレーザーレーダーに進出することも驚くべきことではない。

 これに先立ち、ファーウェイはすでにスウェーデンとカナダの研究開発センターでミリ波レーダーとレーザーレーダーのプレ開発に着手したと報道されている。また、同社は自動車レーダーシステムと構造分析の経験を10年以上持つ自動車レーダーアルゴリズムエンジニアを公募していた。

 研究開発センターの設立から採用までを見ると、レーザーレーダー、ミリ波レーダーを生産することは、ファーウェイの戦略的意図の一つだ。

 もちろん、ファーウェイ自身の長年のICT技術蓄積もあるため、レーザーレーダー、ミリ波レーダーも類似技術の応用延長だ。

 だからファーウェイは車を造らず、すべての完成車メーカーにソリューションを提供するのは、「順当なことだ」。メディアのまとめによると、これらのソリューションには電源モジュール、バッテリー管理、車内ネットワーク、自動運転ソフト、各種センサー、レーザーレーダー、ミリ波レーダーやカメラなどが含まれ、さらには充電スタンド技術、データセンター、クラウドストレージ、クラウドコンピューティングなども含まれている。

 ファーウェイのミリ波レーダーとレーザーレーダーへの進出は、ある興味深いシグナルを発している。すなわち、今後5G技術の発展に伴い、センサーコア技術の発展態勢は、ビッグ・プラットフォーム、ビッグ・エコシステムが主導権を握り、単一技術を突破口として、そこからシステム化、体系化された複合的なイノベーションへと転換するだろう。

注1:ファーウェイがMDCスマート運転プラットフォームのために構築する4つのエコシステムは、スマートコックピット、スマート動力、スマート運転とコネクテッドネットワーク(過去記事を参照)。

注2:ファーウェイは「従来の部品は作るつもりはない。われわれはICTの技術と能力、経験に焦点を絞って、自動車の電気化、スマート化、シェアリング化、ネットワーク化の過程で、われわれは、「増量部品」(従来のストックの部品に対して新たに追加されるフローの部品)のサプライヤーとして位置付けている」と繰り返して強調している。


参考記事:https://www.leiphone.com/news/201910/oJA59lnNihT3P6lW.html

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