百度、3都市で高精度地図のデータ採集と制作の許可を受ける

 10月17日に広州と深センが発行した都市高度運転支援地図の許可を取得した百度は、最近上海市が発行した同市初の都市高度運転支援地図の許可を受け、業界で初めて3都市の都市高度運転支援地図の許可を取得した企業となった。

 報道内容から推察すると、百度が取得したのは、L2+までのADASに使う精度の高くない地図のデータ採集と制作の許可である可能性がある。中国では、全国範囲での高精度地図のデータ採集と制作には、国が認定した甲級測絵資格を持つ必要があり、百度は2022年末現在甲級測絵資格を持っておらず、高精度地図データ採集と制作は限定された都市(注)でしか行われない。ただし、百度は2013年に「長地万方」という地図プロバイダーを買収し、後者は2022年の甲級測絵資格を獲得しており、実際百度の高精度地図のデータ採集と制作は子会社の長地万方と共同で行われる可能性はある。

 伝統的なガソリン車から、電気自動車を中心とする新エネルギー車に移行するなかで、自動車の知能化が重要な競争ポイントとなり、その中で自動運転の精度を支える高精度地図は競争の重要な要素の1つとなっている。甲級測絵資格を持っていない百度は、まず指定された6都市で高精度地図の実績を作ったうえ、甲級測絵資格を狙う算段であろう。

(注)自然資源部弁公庁は今年8月、「コネクテッドカー高精度地図応用試行作業の実施に関する通知」で指定した北京市、上海市、広州市、深セン市、杭州市、重慶市など6都市である。

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