DS、中国での業務を再開へ、合弁よりも単独出資の可能性あり

 PSAグループの高級車ブランドのDSオートモビルズ (DS Automobiles) は8月7日夜、上海万博クリエイティブショーの会場で、中国で新たなブランド・コンセプト「致美・行遠」を発表した。公式には、このコンセプトは、明確で一貫性のあるユニークなブランドイメージを構築することを目的としている。この新ブランドが主張する最初の製品であるDS 9も予約販売を開始した。DSブランドとしては初のBクラス以上の車種となる。

 実際、新製品の発表よりも、DSの中国再復帰に注目が集まっている。実際、今回の発表会の少し前の7月27日、DSは中国での発展に新戦略を打ち出すことを対外的に明らかにしており、ブランド戦略、製品展開、サービスモデルの3つの側面から、全方位的に中国での発展の新たなページを切り開くと述べている。

 DSが中国市場から撤退する可能性があると思われていたのは、DSを運営する合弁会社の長安プジョーシトロエンの株主であるPSAグループと長安汽車が昨年末、同社が保有する長安PSAの株式を相次いで外部に売却したためだ。売却の原因は、長安プジョーシトロエンが長期的な赤字状態にあり、継続が困難になっているためだ。

 「我々は逃げていない。我々はまだいる」と発表会で述べたNicolas Monnot氏はDSの中国での近況について言及した。Monnot氏はDS中国の総経理で、再開決定後の中国における新しい運営チームの責任者を務めている。

 ブランド戦略では、DSブランドは中国で単独出資、独立運営する分野となり、意思決定はPSAグループが主導する。このため、DS中国は上海に新たな運営チームを設立し、DSの中国業務を統括しているが、このチームには多く現地人材が含まれている。

 製品展開では、DSはリムジン、SUV、電気自動車をカバーするファミリー・ユースのラインナップを構築する予定だ。今後しばらくの間、DSブランド傘下の新型リムジン「DS 9」と初の純電動SUV「DS 3」が国内市場に登場する。

 サービスモデルは、DS中国がオンラインとオフラインが融合したいわゆる「新小売」サービスモデルを採用する。オフラインで都市ショールームと単独のアフターサービス拠点を設立し、重点地域でディーラーネットワークを整備する。オンライン上でDSブランドの公式アプレットなどを用意し、中国の消費者にカスタマイズされたきめ細かなサービスを提供する。


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