Weltmeister(威馬)、香港株式上場申請を提出

 6月1日、香港証券取引所が公開した新たなIPO申請リストによると、ベンチャー系自動車新興メーカーWeltmeister(威馬汽車)は香港株のIPO申請を提出している。これで香港証券取引所に集めた中国自動車メーカーは、Weltmeisterが5社目となる。

 2015年から2021年末までに、Weltmeisterは累計83495台の電気自動車を販売した。販売台数から見ると、過去4年間の年間複合平均成長率は100%を超え、販売台数が上昇し、売上高も上昇した。2021年の売上高は前年同期比77.51%増の47.43億元で、これまでの2年間の売上高も年々増加している。

 一方、10万元を少し超えた車両の平均単価が安く、売上が増えても収益が増えない構造になっている。2019年から2021年までWeltmeisterの粗利益率はそれぞれマイナス58.3%、マイナス43.5%、そしてマイナス41.1%となっている。

 粗利率が低すぎて、キャッシュフローは潤沢ではないが、設立から今まで、手にした350億の調達資金で賄えている。目論見書では、Weltmeisterの帳簿上では41.6億しか残っておらず、2021年の1年だけで、純損失は82.05億に達し、前の2年と合わせて、累積損失は約180億の億に近い。

 自動車企メーカーにとって、連続的な損失、特に拡大する損失は企業の次の発展と関連投資家の投資意欲に深刻な影響を与えかねない。

 原材料価格の高騰、競合の増加など、外部環境が悪化している中で、Weltmeisterは生き延びるためには、平均単価の高い車両を開発し、市場に投入しなければならない。そのために、あらゆる手段を尽くして資金調達を続けなければならないという「無限ループ」に向かいつつある。

 1つの現実として、Weltmeisterより平均単価の高く、同じベンチャー系自動車新勢力の中でパフォーマンスが良いXpeng(小鵬汽車)も当初から知能化のセールスポイントで販売を順調に拡大しているにも関わらず、いまだに「売れば売れるほど損する」呪縛を打ち破ることができていない。

 Weltmeisterの上に、小米汽車が進出し、NIO、理想、テスラ、Xpengが市場拡大を目論んでおり、下に五菱、NETA(哪吒)やLeapMotor(零跑)といった「庶民ブランド」と競合している。香港上場は、Weltmeisterにとって今後の競争をうまく切り抜ける役に立つだろうか。

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