「爆買い」戦略通用せず、恒大汽車A株上場断念、時価総額は今年最高値から97%下落

 流動性危機に陥った恒大汽車はA株への上場を断念した。9月26日夜、恒大汽車は、慎重に検討した結果、同社と証券会社の海通証券股フェン有限公司の双方が上場指導契約を終了することで合意し、中国証券監督管理委員会深セン監督管理局に報告すると発表した。これで恒大汽車は、人民元建て株式の発行計画を中止した。

 恒大汽車は、戦略的投資家からの支援と資産売却によって流動性の問題を解決しようとしている。9月24日夜、同社は流動性のひっ迫状況を鑑み、ヘルスケア事業の「恒大養生谷」と新エネルギー車事業の一部で、サプライヤーと工事代金の支払い遅延が発生し、一部の関連プロジェクトが停止したと発表した。

 恒大汽車は現在、グループ全体の危機の緩和と運転資金の確保のため、ヘルスケア事業の一部と海外資産の売却を検討しているが、売却が短期間に進展はなければ、さらなる資金不足により、新エネルギー車の開発と量産はともかく、企業運営にも影響を及ぼすと予想される。

 「道(やり方)を変えて追い越そう」として、「爆買い」から自動車産業に参入している恒大汽車は、最初から2025年に生産販売100万台、2035年に生産販売500万台という壮大な目標を達成すると放言していた。2021年4月の上海モーターショーで、恒大汽車は一気に9車種の「恒馳」ブランドの新モデルを展示し、全国に36カ所の「恒馳体験ショールーム」、1600カ所の「恒馳販売センター」、3000カ所の自社建設および認可されたアフターサービスセンターを急ピッチで建設すると発表した。

 当時、ある自動車業界関係者は、恒大汽車の一連の動きからわかるように、同社の自働車業界での投資は過去の不動産業界での一貫したやり方を継続しており、「爆買い」戦略で規模の優位性を築こうとするが、この方式は自動車業界では全く通用しないと指摘した。

 しかし、その時の資本市場の恒大汽車に対する期待は高く、2018年から2020年まで、3年間の恒大汽車の毎年の赤字額はそれぞれ14.28億元、44.26億元、77.4億元計上されたにもかかわらず、2020年6月から、その時の6香港ドルの恒大汽車の株価は大幅に買われて、2021年2月までに最高72香港ドルを突破して、上げ幅は1200%に達して、市場総額は6400億香港ドルを突破した。

 いま恒大汽車は流動性危機に陥っており、同社の株式は株主から売りに出された。市場では、同社の株式は9月27日の取引終了時点で、1株当たり2.02香港ドル、市場総額は197億香港ドルに縮小して、今年の最高値から97%下落した。


参考記事:https://www.yicai.com/news/101184586.html

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