VW、傘下のソフトウェア会社CARIADの中国子会社設立

 4月28日、フォルクスワーゲン(以下は「VW」)傘下のソフトウェア会社「CARIAD」の中国子会社が設立された。中国市場のニーズに機敏に対応し、中国市場向けに現地化された革新的なソフトウェアを効率的に開発すると同時に、中国政府のデータ保管要件を満たすことなどが目的である。

 CARIAD欧州本社は、2020年ごろにVWのソフトウェア部門から独立した。現在CARIADは量産型ソフトウェアプラットフォームを開発しており、MEBプラットフォームの車種に適しており、MEBプラットフォームを採用した特定のモデルでOTAを実現している。

 また、ベンツがMB.OSの自社開発を準備しているのと同様に、VWも独自にOS「VW.OS」を開発し、VWのクラウド「VW.AC」に接続できる。同システムは今後、VWグループ傘下のすべてのブランドに適用される。2025年頃にL4レベルの自動運転技術を発表し、プレ搭載する予定である。

 CARIADの中国子会社は、顧客体験をもとにしており、研究開発の重点は、主に以下の3つにある。

 第一は、MEBソフトウェアプラットフォームの研究開発である。中国子会社は、中国市場に投入するID.シリーズのOTAを主導し、最初のOTAは2022年後半に実現する見通しである。

 第二は、インフォテインメントシステムや高度運転支援システムをサポートし、PPEプラットフォームに適したハイエンドソフトウェアプラットフォームの研究開発である。2年以内の導入を計画している。このシステムは強力なAI計算力を持つハードとソフトウェアシステムを持ち、高速道路のナビゲーター、都市部の高度運転支援、駐車など、競争力のあるスマート運転支援システムの機能を提供できる。

 第三は、中国市場に合ったV2Xの研究開発である。中国政府はコネクテッドカーとスマートシティの協同発展を強力に推進している。多くの自動車メーカーがV2X機能付き車種を開発している。

 同社関係者によると、これまでに交通信号機情報(TLI)、危険情報警告(LHW)、危険情報提示(LHI)という3つのコネクテッド機能を開発しており、中国市場ではすでにAudiの最新モデルに搭載している。

 現在、CARIAD中国子会社は600人以上のスタッフを抱えているが、2023年末までにその数を倍増する予定ある。また90%以上が現地採用のソフトウェア人材となる。これと同時に、同社は北京、上海、成都、合肥市で研究開発拠点を構築しており、全国分散型の研究開発ネットワークを構築する予定である。

 ちなみに、CARIADは「Car, I Am Digital」の略という。

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